Baby Ranch
編集部より: 今回公開されたファイル群の中で、最も戦慄を覚えるのは、彼が単なる性的な快楽主義者ではなく、自らを「超越的な存在」と信じ、人類の生物学的な未来を操作しようとした「マッド・サイエンティスト」の側面を持っていたことです。
ニューメキシコの実験場「ゾロ・牧場」の秘密
エプスタインの欲望は、フロリダやニューヨーク、そしてカリブ海の島だけでは満たされませんでした。今回、その「狂気」の震源地として浮かび上がったのが、ニューメキシコ州にある広大な牧場、通称「ベイビー・ランチ(Baby Ranch)」です。
- 「20人の女性」と現代のハーレム計画 ファイルが明らかにした彼の最も異常な計画の一つが、この牧場を使って「20人の女性を同時に妊娠させる」というプロジェクトでした。 彼は、自身のDNAをこの世に大量にばら撒くことに異常な執着を見せていました。ソースによれば、彼は歴史上の征服者、モンゴル帝国の「チンギス・ハン」に憧れを抱いていたとされています。チンギス・ハンが数多の子孫を残し、現在の人類の一部にその遺伝子が組み込まれているように、エプスタインもまた、自らの「優秀な」遺伝子によって人類を品種改良しようと試みていたのです。
- 選別と隔離のシステム この牧場は、外部の世界から完全に遮断された空間でした。連れてこられた女性たちはパスポートを取り上げられ、逃亡が不可能な状況に置かれていました。 これは単なる監禁事件ではありません。ナチス・ドイツがかつて夢想したような「優秀な血統の子供を量産する」という優生思想の実践の場だったのです。彼は自らを種馬とし、選別された女性たちを「母体」として管理する。そこには人間としての尊厳や感情は存在せず、あるのは冷徹な生物学的実験の論理だけでした。一部の指摘では、そこで生まれた子供たちが別の目的に使われたのではないかという疑念さえ持たれていますが、その真偽は闇の中です。
トランスヒューマニズムへの歪んだ渇望
エプスタインの科学への関心は、次世代を残すことだけに留まりません。彼は「死」そのものを克服しようとしていました。
- 冷凍保存された脳と生殖器 公開された情報の中で最もグロテスクかつ彼の精神性を象徴しているのが、「自身の脳と性器(ペニス)を冷凍保存したい」という願望を持っていた事実です。 彼は現代の科学技術が将来的に進歩し、自分を蘇らせることができると本気で信じていました。彼にとって、自身の知性(脳)と生殖能力(性器)は、人類にとって失われるべきではない至宝だったのでしょう。この自己愛は、病的なレベルを超え、カルト的な信念へと昇華されていました。
- 科学者たちとの「共犯関係」 なぜ、元数学教師に過ぎない彼が、ここまでの科学的野望を持てたのか。それは、彼が世界トップクラスの科学者たちを金と接待で籠絡していたからです。 車椅子の天才物理学者スティーブン・ホーキング博士がエプスタイン島を訪れていたことは、象徴的な事実です。エプスタイン島では「科学カンファレンス」が開かれており、彼は金で「知性」を買っていました。 また、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの元所長である伊藤氏や、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツとの深い関係も、この文脈で読み解く必要があります。特にゲイツに関しては、エプスタインに「ドラッグの入手を手助けしてもらった」というメモや、不倫関係の隠蔽を依頼していた形跡が残っています。 エプスタインは、科学者たちの研究資金を援助し、あるいは彼らの弱みを握ることで、自らの優生学的・トランスヒューマニズム的妄想に「学術的な正当性」を与えようとしていたのです。
冒涜と支配――宗教的タブーへの挑戦
彼の優生思想は、既存の倫理や宗教観への挑戦とも結びついています。
- イスラムの聖遺物「キスワ」の冒涜 優生学が「神の領域(生命の創造)」への侵犯であるならば、彼は象徴的な意味でも神を冒涜しようとしていました。 UAEの実業家を通じて、イスラム教の聖地メッカにあるカーバ神殿を覆う聖なる布「キスワ」を入手していたことが判明しています。1000万人以上のイスラム教徒の祈りが込められたこの布を、彼は自宅の装飾品、あるいは床に敷くカーペットのように扱っていた疑いがあります。 専門家は、これを「最も神聖なものを穢(けが)すこと」自体を目的とした、ある種の悪魔崇拝的な儀式の一部であった可能性を指摘しています。
- 偽りの神殿 エプスタイン島に建設された「神殿」と呼ばれる建物。公式には「グランドピアノの保管庫」とされていましたが、実際には内部にエプスタイン自身とローマ教皇の肖像画が並べられ、「鍵が外側についている(閉じ込めるための)ドア」が設置されていました。 ここで何が行われていたのか。彼が目指した「種の改良」の裏で、どのような儀式的な虐待が行われていたのか。宗教的権威(教皇)と自分を同列に並べるその精神構造は、彼が自らを「神」と錯覚していたことを如実に物語っています。
国家ぐるみの「ハニートラップ」システム
エプスタイン個人の狂気だけでは、これほど大規模な犯罪を長期間隠蔽することは不可能です。背景には、国家諜報機関の影が見え隠れします。
- モサドのエージェント説 FBIの内部文書における信頼できる情報提供者は、エプスタインを「イスラエル諜報特務庁(モサド)の協力者」であると断定的に報告しています。 彼の共犯者ギレーヌ・マクスウェルの父、ロバート・マクスウェルは、イスラエルで国葬級の扱いを受けたモサドの協力者でした。エプスタインはその娘と共に、親子二代にわたる諜報活動を行っていた可能性があります。イスラエルの元首相エフード・バラクが、エプスタインの有罪判決後も36回面会している事実は、通常の友人関係では説明がつきません。
- 完璧な監視装置 ヴィクトリアズ・シークレットのオーナー、レスリー・ウェクスナーから譲り受けたニューヨークの豪邸には、寝室からトイレに至るまで監視カメラが設置されていました。 エプスタインの役割は、世界中のVIPを招き、未成年者との性行為を斡旋し、その様子を映像として記録すること。つまり、「恐喝材料(コンプロマット)」の収集です。 アンドルー王子のスキャンダル、ビル・クリントンの27回に及ぶフライト記録、トランプ氏との関わり。これら全ては、エプスタイン(および彼を操る国家組織)が世界政治をコントロールするための「カード」だったのです。
結論なき闇――「リミテッド・ハングアウト」の罠
最後に、我々はこの情報公開の意図を冷静に見極める必要があります。 なぜ今、これが出たのか。動画の解説者が指摘するように、これは「リミテッド・ハングアウト(限定的な情報公開)」である可能性が高いです。
大衆の怒りが頂点に達する前に、一部の衝撃的な情報を「ガス抜き」として公開し、本当に致命的な核心部分(例えば、現在進行形の作戦や、より高位の黒幕)を隠蔽する手法です。 事実、公開されたのは関連文書の半分程度であり、重要な顧客リストの全貌は依然として不明確です。さらに、公開直後に一部のファイルが削除されたり、被害者の実名が黒塗りされずに晒されるなど、不可解な動きが続いています。
エプスタインは「生きて」いるのか? 彼の死についても、監視カメラの故障、巡回の不履行など、あまりに不自然な点が多すぎます。ネット上では、彼の死後にゲームアカウント「フォートナイト」へのログイン履歴があったことなどから、生存説すら囁かれています。 彼が物理的に生きているかどうかは別として、彼が築き上げた「優生学的な野望」と「恐喝による支配システム」は、彼一人の死で消え去るものではありません。
このニュースが我々に突きつけるのは、単なるゴシップへの好奇心ではありません。 科学技術の進歩が、倫理なき富豪によって「種の選別」に使われようとしていた現実。そして、我々が崇拝する政治的・科学的リーダーたちが、いとも簡単にその「甘い罠」に堕ちていたという事実です。
エプスタインという名の腫瘍は摘出されたかもしれません。しかし、その根は深く、広く、我々の社会の深層にまだ残っているのです。
U.S. Department of Justice (DoJ)
https://www.justice.gov/